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6月
15

昨年「組曲の狂想曲」を書いた直後に、ショッキングなニュースが……。

前回取り上げていた「Apache OpenOffice」(以下、AOO)が終了するかもしれないというのです。プロジェクトの責任者が関係各位に対して「脆弱性に対応したバージョンのリリースが遅れていることと、それに対応する開発者が不足していることを理由に、このままではプロジェクトの終了もやむを得ない」というメールを送付したとのことです。ゴシップ的な報道が基ではないだけに信ぴょう性が高いというか、むしろ切実ですね……。

資金不足であれば何らかの支援が得られれば継続できそうですが、開発者不足はさすがに一朝一夕では解消できないと思われます。最終的には当面の存続が決まったそうですが、今後の先行きは不透明です。

 

で、前回せっかくAOOを取り上げたのに、という思いです。こだわりを持って推した訳ではないとはいえ、こっちを選択してよかったのかと悩んでしまいました。少なくともリリース遅れぐらいは把握しておきたかったです。

……一方で、だったら次回のネタはもう一方への乗り換えかな、と転んでもただでは起きない根性を見せることにしました。

・Apache OpenOffice

Webサーバーソフトで知られるApacheソフトウェア財団が開発・提供し、フリーで使用できるオフィススイート。元々はサン・マイクロシステムズ社が中心となって立ち上げたOpenOffice.orgプロジェクトが基で、オラクル社による同社の買収後に財団へ譲渡されたものです。MSOfficeのファイルを開く機能は早い段階からあり、バージョンを重ねるごとに互換性は強化しているものの、操作性の面ではそれなりに別物という感じです。

・LibreOffice

The Document Foundationという団体が開発・提供するフリーのオフィススイート。実は前述のOpenOffice.orgプロジェクトの開発者が中心となって立ち上げた団体で、オラクル社の買収後にプロジェクトの受け皿となるべく設立したものの実現せず、別のソフトとして開発を続けるようになったという経緯があります。そのため基が同じであるApache OpenOfficeとは似ている部分もありますが、枝分かれしてから大分経つため独自の進化を続けています。

前回の引用になりますが、AOOと同じソフトを基にしながら袂を分かったのが「LibreOffice」(以下、LO)です。こちらもフリーですので、とりあえず使ってみようと入れてみるのは全然問題ありません。

(※ただし、AOOとLOを同時にインストールして共存させるのはあまりよろしくないそうです。いったんアンインストールしてからもう一方をインストールする方がよさそうです。)

また、前回AOOを選んだ理由の一つとして挙げたのは、IPA(情報処理推進機構)が提供する「MyJVN」で最新バージョンがチェック可能なためだったのですが、昨年12月にLOもチェック対象に加わったのでその点でも差はなくなりました。

(※繰り返しになりますが、IPAがこれらのソフトを推奨しているという訳ではありません。以前からブラウザやメールソフトは複数がチェック対象だったので、一押しを選択している訳でもないはずです、多分。)

 

さて、AOOとLO(およびMicrosoft Office)の比較に関する記事は、ちょっと検索しただけでたくさん見つかるのでそちらにお任せします。

個人的な観点としては前回の比較をLOでもやってみれば、どちらの使い勝手が自分に合っているかわかるかなと思ったので取り上げていきます。という訳で比較するのは表計算ソフト「LibreOffice Calc」です。

 

1.シート名の変更でダイアログが表示される⇒変わらない
LO1
これはAOOと一緒でした。さすがに前回と同様に許容範囲ということで。

 

2.Deleteキーで一発で削除ができない⇒できる
LO2
AOOではDeleteキーを押すとセルの内容削除の代わりに削除の方法を指定するダイアログが表示されていましたが、LOではMSOfficeと同様に一発で削除してくれました。使い勝手としてはこちらの方が馴染みやすいかも。

と言いつつ、上に示したダイアログも実は存在していて、BackSpaceキーを押した際に表示されます。すなわち、LOとAOOでDeleteキーとBackSpaceキーの役割が入れ替わっているとも言えます。何故こんな違いが生じたのやら……。

 

3.「切り取ったセルの挿入」ができない⇒変わらない
LO3
右クリックメニューに「切り取ったセルの挿入」がないという点はAOOと一緒でした。

そして実現方法も同じで、「セル範囲を選択して、Altキーを押しながら入れ替えたい先へドラッグ」で対応可能でした。ただし、LOについてはもう一つ方法がありました。

LO4

右クリックメニューから「形式を選択して貼り付け」を選び、ダイアログの「セルの移動」から「下へ」または「右へ」を選ぶと、選択した方向へ挿入してくれます。

この操作が分かりやすいかと言われると少々悩みますが……やっぱり慣れ次第なんでしょうね。

 

その他にもAOOとLOでは様々な違いがありました。同じソフトが基になったはずなのにこの違い……(特にLO側が)差別化のために色々変えたのかなという印象です。

個人的には、アイコンが妙に大きいと思いました。大きなアイコンは「見やすい」「幅を取る」と一長一短ですが、個人的には後者の意見……さすがにこれは設定でサイズの変更ができました。

AOOの方が良くも悪くも昔のMSOfficeの見た目を残している印象で(ただし操作性はそれなりに別物)、LOはそれにこだわらずに新しい方向へ進化しているのかなと感じました。

 

どちらを選ぶべきかは、完全に好みの問題だと思います。ただし、どちらにしてもMSOfficeとの操作性の違いは覚悟の上で。

それから、今回のAOOのように、ソフトの脆弱性対応の遅れや、開発終了というリスクも考慮が必要だと思います。これはフリーに限らず商用のソフトでもあり得る話なんですけどね……。

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