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2月
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あと30年

先日「スタークラフト2」というゲームでAIが人間のトッププレイヤーに10勝1敗で勝利したというニュースがありました。
開発したのは囲碁のAlphaGoで知られるディープマインド社です。
「スタークラフト2」というゲームはリアルタイムストラテジーゲームで、最適戦略が一意に決まらないことや不完全情報ゲームであることから囲碁の次の目標としてディープマインド社が取り組んでいました。

以前から私はこの話題に関心があり、これによって意図を推測するような機能が出てこないか期待していました。
しかし発表された内容によるとアルゴリズムは従来のAlphaGoと似たものでした。

学習には人間のプレイ時間に換算して最大200年かけたとのことです。
実際の学習時間は14日で、人間のトッププレーヤーのレベルに達するには3日から5日かかるそうです。
プレイ時間を基準にすると人間の方が学習速度が速いようなのでAIの学習には改善の余地がありそうです。
文脈を理解したり常識から推論したりする能力が低いことが欠点です。

 

AIに常識を持たせるのは簡単ではありません。
常識の中には辞書に載っていないことが多数あります。例えば「持ち上げたコーヒーカップから手を離すとコーヒーがこぼれる」だとか「オリンピックに出場する人はスポーツ選手だ」といった情報は、言われてみればその通りですが言われなければ意識しないようなことです。
こういった無数の情報をAIに教えるのは困難であり「知識獲得のボトルネック」と言われています。
しかし情報を知らなかったとしても、言われた後で瞬時に推論できるのなら不都合はありません。状況判断の技術や、様々な状況や体験から推論のための材料を集める技術が重要になるのだと思います。

我々は普段、少ないデータから色々と推論しています。
「常識とは偏見のコレクションである」という言葉があります。これは常識に囚われることへの批判なのだとは思いますが逆に考えると、断片的な情報からでも何らかの有用な傾向を見出そうとする驚異的な能力が人間にはあるということでもあります。

 

AIは「幻滅期」に入ったという話もありますが、技術は進み続けています。
アメリカではDARPAが文脈推論や常識推論などの次世代AI研究に20億ドルもの投資をするそうです。
今後の技術の発展に期待したいです。
とはいえ1980年代にも「あと30年でAIは人間を超える」と言われていたそうで、
30年経っても「あと30年で」と言い続けているのかもしれません。

HM

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