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2月
15

因果推論

これまで何度か雑誌やデータ分析に関する記事でEBPMやランダム化比較試験といった言葉を見かけることがありました。「相関関係は因果関係を意味しない」という話は以前から度々聞いていましたが、政治や経済の分野で相関と因果を区別する方法があるのか私は良く知りませんでした。面白そうだったので個人的にいろいろ調べています。

 

ランダム化比較試験というのは、調査対象をうまくグループ分けすることで対照実験のような状況を作り実験する手法です。しかしランダム化比較試験は予算や倫理的問題で実施できないことも多いとのこと。そんな状況でも実験をせず既存の観察データを利用して因果関係を見つけ出す方法もあります。既存からデータを分析する場合は、因果関係が逆になっていないかといった点や、原因と結果の両方に影響を与える第三の変数が存在しないかといった点に注意が必要です。その対策として、操作変数法、回帰分断デザイン、差の差分析といった手法や、第三の変数からの影響を防ぐための「バックドア基準」といったものが作られています。

このような因果推論の手法も万能ではなく、得られた結果が調査対象以外には当てはまらないかもしれないという問題や、因果関係が生じる根本的な原因はわからないという問題があります。またデータがとても少ない場合は統計的に意味のある結果を得るのが難しくなります。

しかし相関と因果を区別する手段があるだけでも大きな価値があります。EBPM(証拠に基づく政策立案)の推進派の動機は、政策立案を個人の印象に基づいたエピソードに頼るのではなく、合理的根拠に基づいて行うべきだという所にあります。

 

自分なりにあれこれ調べた結果、こういった様々な知識を得ましたが、正直なところ実際にどの程度うまく機能するのか実感がまだありません。データを使ってあれこれ試してみないと納得感は得られないと思います。

今回、これらに興味を持ったのは合理的な根拠があったわけではなく、以前は不可能だったことが可能になったというエピソードの記事を見て強い印象を受けたためです。印象論から脱却するための道具の話ではありますが、それを知るきっかけはエピソードから受けた印象でした。

人は客観的事実よりも物語に動かされやすいという話がありますが、今それを改めて実感しています。

HM