今年もそろそろ年末調整について準備を始める時期となりました。
詳細については「令和2年分 年末調整のしかた」を確認しなければいけませんが、
主な改正点をまとめてみました。
▼国税庁 「令和2年分 年末調整のしかた」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2020/01.htm
1.給与所得控除と基礎控除
◇給与所得控除額が一律10万円引き下げられることになりました。
▼国税庁 給与所得控除額
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
◇これまで一律38万円とされていた基礎控除額が48万円に引き上げられます。
ただし、合計所得金額が2,400万円を超えると所得に応じて段階的に減額されます。
▼国税庁 基礎控除額
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1199.htm
◇改正によって所得税への影響は?
給与等の収入金額が850万円以下の場合、「給与所得控除額」の引き下げと
「基礎控除額」の引き上げでプラス・マイナス0となり所得税は変わりません。
2.所得金額調整控除
◇給与所得控除および基礎控除の改正に伴い、子育てや介護を行っている人の
税負担増にならないように「所得金額調整控除」が創設されました。
給与等の収入金額が850万円超で以下のいずれかに該当する場合適用されます。
・本人が特別障害者
・23歳未満の扶養親族がいる
・特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる
▼国税庁 所得金額調整控除に関するFAQ
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020006-075.pdf
3.ひとり親控除の新設および寡婦控除の改組
◇これまでの寡婦(夫)控除は、離婚や死別によって配偶者が
いなくなった人に適用されてましたが、今回の改正で婚姻歴・性別によらず、
すべてのひとり親に対して「ひとり親控除」が適用されます。
ひとり親で以下の条件にすべて該当する場合適用されます。
・生計を一にする子を有すること
・所得が500万円以下であること
・事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
◇「ひとり親控除」の新設に伴い、「寡婦控除」が見直されます。
ひとり親に該当しないが、以下の条件に該当する場合適用されます。
・配偶者と離婚、死別して扶養親族がいないまたは子以外の扶養親族がいる
・所得が500万円以下であること
・事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
▼国税庁 ひとり親控除および寡婦控除に関するFAQ
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020004-145.pdf
4.申告書の変更
◇「給与所得者の基礎控除」、「配偶者控除等申告書」、「所得金額調整控除申告書」が1枚にまとまります。
◇ひとり親控除および寡婦控除の変更に伴い、「扶養控除等申告書」の様式が変更されています。
▼国税庁 変更を予定している年末調整関係書類
「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/03.pdf
「給与所得者の扶養控除等申告書」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/0020006-088_01.pdf
5.源泉徴収票の変更
◇改正に伴い、源泉徴収票の様式が変更されています。
▼国税庁 給与所得の源泉徴収票
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/pdf/r02/23100051-02.pdf
6.法定調書の電子提出義務化
◇前々年の提出枚数が100枚以上の場合、e-TAXまたは光ディスク等による提出が義務化されます。
例えば、平成31年1月に提出した「給与所得の源泉徴収票」が100枚以上だった場合、
令和3年1月に提出する「給与所得の源泉徴収票」は、e-TAXまたは光ディスク等で提出する必要があります。
※「100枚以上」とは、法定調書全体の枚数ではなく種類ごとの枚数となります。
▼国税庁 法定調書の提出枚数が100枚以上の場合のe-Tax又は光ディスク等による提出義務
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7455.htm
今年は、社員の方に記載していただく申告書の様式が大きく変わってますので、
早めの準備が必要となります。